切削・オーバーレイ改修工事

当社ウレタン舗装における切削・オーバーレイ工による改修工事についてご紹介します。

陸上競技場は特に公認競技場の場合、5年に1度JAAFによる公認継続検定があります。一般的にそのタイミングに合せ、改修整備工事が行われます。
ここでは全面的な切削・オーバーレイ改修をご紹介しますが、競技規則の変更対応、傷み具合、予算等から判断して改修内容が決定されます。
尚、非公認の一般競技場は5年という目途が無いので、管理者様の判断で適宜改修されます。

計画手順

  • ① 現状の把握(最新陸上競技規則・JAAF指導通達に未合致の部分、舗装の摩耗・剥離他損傷部分の確認。地震や地盤沈下による敷地の変形・不陸も含みます。)
  • ② JAAFによる現地指導(JAAFから検定に合格するために最低限改修すべき項目が現地確認の上、文書で示されるので必ず受ける様にします。)
  • ③ 改修箇所の決定。設計と見積りから予算取り。予算的に難しい場合、JAAFと事前協議の上、数年に分けて改修する場合もあります。(計画図で再度図面指導を受けることになっています。)
  • ④ 尚、全くの未改修で検定を受ける事例はほとんどなく、1レーンやスタート部の摩耗、ライン・マーキングの薄くなった部分の再塗装等は最低限あるもの考えます。

施工手順

  • ① ウレタン切削。ウレタン舗装のメンテナンスは使用やスパイクによる摩耗や損傷、日光による紫外線劣化などを考慮し、エンボス層と耐久層の更新を想定しています。(約2mmが一般的)
  • ② 切削後、さらに異常箇所が無いかを確認し、剥離などの損傷箇所があれば部分的に弾性層まで撤去します。
  • ③ ウレタン耐久層とエンボス層の復旧(合わせて約3mmのオーバーレイが一般的です。)
  • ④ 以降の工程はウレタン新設時と同様に、トップコート工、ライン・マーキング工を行います。

施工についての様子です。
画像をクリックすると、説明が表示されます。

溝切り切削・オーバ-レイ工法

世界陸上2007大阪の檜舞台となった ”トップエースCL” のトラックは、コスト的な制約もあり、切削・オーバーレイでの施工が発注側から求められていました。実はこのウレタンが新設されたのは10年前の1996年でした。2005年に部分的な整備でWA(当時IAAF)クラス2認証を取得していましたが、世界陸上選手権を開催するにはオリンピック開催と同様のクラス1認証が必要になります。最も問題になるのはWAが求める性能基準「衝撃吸収値(以下SA値)」35~50%」をクリアすることです。当時経年変化で当該値で30%を切っていた本トラックは通常の2mm切削3mmオーバーレイではSA値を回復を見込めませんでした。発注者は各社を集めて現地で試験施工を行います。各社従来の切削・オーバーレイ工法に工夫を凝らし切削厚・オーバーレイ厚を変更するなど様々提案がでましたが、仕上げ面の高さが変わると既設構造物との取り合いが処理出来なくなったり、切削・オーバーレイの厚みを増すとコストを押し上げることになり、採用されませんでした。そこで当社が提案したのは、厚みを変えずにSA値を改善するために以前から開発に取り組んでいた特殊な切削・オーバーレイ工法でした。高さを変えずにSA値の改善をめざすには、弾性層の機能を上層にも付与するという発想から生み出された方法です。
「溝切り切削・オーバーレイ工法」と後に呼ばれるこの工法で目論見通り仕上げ高さを変更せず、使用するウレタン量も抑制されるので、コストの圧縮にも成功し、「トップエースCL」が採用されました。実際の施工では苦労が絶えませんでしたが社を挙げて取組み、WAの厳しい認証検定もクリアし世界陸上開催に必要な「クラス1」の認証を取得しています。切削・オーバーレイでのクラス1認証の新規取得は現在においても国内唯一の実績です。