テクノロジー

 私どもは、土系舗装材や全天候舗装材などのスポーツ舗装材に限らず、スポーツ施設の明日の在り方を考えながら、環境対応技術を含めた周辺技術を広い視野で眺め、先進的な技術の開発に努め、精進を重ねて参ります。



GOALシステム

スポーツターフ管理システム 『GOALシステム』 (Grass On Aqua Lines System)

  地中のサポーター GOALシステム
   GOALシステムの開発テーマ
 

 Jリーグやワールドカップクラスのピッチに使われる「サンドベース」と呼ばれる砂質系床土の芝は、水ハケが良い反面、水や肥料の保持力が低いため、メインテナンスが大幅に増えました。

『GOALシステム』は、スポーツターフの維持管理を行う地中給排水システムで

・均一な給水により給水ムラを防ぐ
・省エネルギーメンテナンス
・メンテナンスの合理化
・初期性能の長期維持

を達成するため、メンテナンスでもっとも手間のかかる撒水を地中から行なって手間を減らして良質なメンテナンスの手助けを致します。

 

   GOALシステムのメカニズム
 

 給排水エリアに遮水シートを敷き詰めて貯水槽とし、床土内に埋設したさや付きの有孔給水管から給水します。

・給水を低水位差で行うのが特長で、水の自然なふるまいである連通管作用と毛細管作用を利用して行います。
・排水は、排水バルブを開くと重力による排水が始まり、水面の低下と共に新鮮な空気を芝生の根圏に吸い込ん
で、芝生を活性化させます。

 こうした一連の動作をコンピュータで制御することで水のリサイクル利用・水質管理・水温コントロールの総合管理が可能となります。

 

   地上散水か、地中給水か。 給水方法による得失
      GOALシステムのような地中給水には、地上撒水と比べ次のような利点があります。

 

地上散水

GOALシステム

潅水方法

スプリンクラー・ホース

-

給水管を埋設

-

水の経路

空中を経て芝に届く

-

培土の空隙を経て芝に届く

-

芝床面の状態
(サッチの影響)

サッチが湿潤して病原菌の温床になりやすい

×

サッチが乾燥するため病原菌の温床 になりにくい

有効水量

空中で蒸発、飛散ロス大

ロスが少ない

給水ムラ

多い

少ない

水の再利用

困難

×

再利用可能

施肥ムラ

出やすい

出にくい

他の作業への
影響

葉面が濡れ各作業やプレーに支障がある

葉面が濡れないため作業やプレーに影響少ない

建設費

低い

地中配管の分高くなる



 














花巻市スポーツキャンプむらサッカー場
花巻市スポーツキャンプむらサッカー場

 

 システムの基本ユニット、GOALパイプ

 

GOALパイプは、次の特長をもった「さや付き2重管」です。

・高い給水効率 床土との給水境界面が給水孔面積の250倍以上となります。
・初期性能の長期維持 多孔質管や有孔管が苦手な「目詰まり」「根がらみ」を防ぎ、初期性能を長期にわたって保ちます。
GOALパイプへの送水方法には、送水管によるものと側溝によるものとがあります。

送水方法

水位センサー

構  造

埋設送水管

給水制御槽内

やや複雑

側    溝

側溝内

シンプル

 

   特   徴
 
(1)
水位差を利用したシンプルな給水システム
 地中に埋設された特殊2重構造パイプの給水孔から、水の自然なふるまいを利用した毛細管作用と連通管作用でフィールド全面に、低水位差でおだやかに水を行きわたらせます。
 
(2)
「目詰まり」「根がらみ」しない給水孔
 給水孔は床土や芝の根によって「目詰まり」「根がらみ」しない構造をとっており、初期の性能を長く保ちます。
 
(3)
床土の呼吸作用をもたらす排水システム
 給水時は排水バルブを閉じると、底面に敷いた遮水シートによってフィールド内が水 でうるおいます。バルブを開くと重力に従って急速に排水を開始し、水位の低下により床土に空気が吸い込まれ、フィールドが呼吸をはじめます。
 
(4)
水のリサイクル利用による節水管理
 一度使った水はフィルターで不要物を除き、必要に応じ水質調整してリサイクル使用 します。また雨水は排水パイプを通して貯水タンクに蓄え、外部からの補給水を減らします。
 
(5)
芝を活性化させる水温コントロール
 年間を通じてほぼ定温を保つ地下タンク貯留水を循環させ、床土の急激な温度変化に対応します。また熱交換器を組み込んで水温を調節し、GOALパイプを通じて循環させ、芝の活性化をはかります。
 
(6)
エバーグリーンを実現する芝草の選定
 GOALシステムは芝種を選びません。計画地の立地条件・使用条件に応じて最適な工法と芝種の選定を行ないます。
 
(7)
芝の良好な生育と省力化を実現し、成長するコンピューター制御
 コンピューターへの入力データは、漸次その競技場特有のものを加え、更新・成長します。
 
(8)

強い芝を育てる床土構造
砂質系の3層構造により良好な通気性や透水性を実現しました。これによって根は深部まで生育し、健丈な芝生を作ることができます。

 

   GOALシステムの制御用センサー
   

GOALシステム制御用センサには次のようなものがあります。

 

(1)

給水量チェック用センサー

・水位センサー 給水側で給水時の水頭差を、排水側で排水時の水位を決定します。
・土壌水分センサー 土壌の過湿、過乾燥を監視します。
・土中温度センサー 水分センサーとほぼ同じ場所に埋設し、土中の温度を感知し、地下タンクからの給水量 を調節します。
・降雨量センサー 前日・当日の降雨量により、給水量を制御します。



(2)

水質チェックおよび水質調整用センサー

・PHセンサー 給水の酸・アルカリ度を測定し、調整します。
・ECセンサー 給水の電気伝導度を測定し、調整します。
・溶存酸素量センサー 系内の溶存酸素量(DO)をチェックし、必要に応じて給水タンク内でエアレーショ ンした、DO値の高い水を供給します。

  @これらのセンサは、常に系内の状態をチェックしながらコンピュータに情報を提供し、良質のメンテナンスを助けします。
  Aモデムを通して遠隔地のコンピュータとつなぎ、リモートコントロールが可能です。
  B情報はコンピュータ内に蓄積され、プリントアウトして保存する事ができます。

 

 GOALシステムのバリエーション
  GOALシステムには、給排水機能だけの基本システム<タイプC>から

  ・各種センサーの情報によるコンピュータ制御
  ・水質調整
  ・水のリサイクル

   機能を加えたフルシステム迄、4種のバリエーションがあります。

 

 

タイプA

タイプB

タイプC

タイプD

機能

フルシステム
全自動給排水

水質調整なし

基本システム
給排水機能のみ

簡易型
給排水兼用管

GOALパイプ

排水パイプ

給排水兼用管

貯水タンク

2槽合計
600〜900トン
2槽合計
600〜900トン

水のリサイクル

水質調整

給排水位調整

土中温度センサー

  ○※

土中水分センサー

  ○※

PH.EC.DOセンサー

降雨量センサー

備   考

全自動方式

 

施肥は地上から

 

施肥は地上から
給水は地上散水と同じ感覚で

施肥は地上から
給水は地上散水と同じ感覚で

 

 

 




















   (注1) ※タイプCではコンピュータ用センサーを組み込まないこともあります。

      (注2)芝の生理上、種が発芽するまでや目土かけの後、葉面を洗い目土を安定させるため地上からの撒水が必要とされ、
       GOALシステムには補助的に地上散水機能を組み込んでいます。
   
 
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