2003年8月2日、朝日新聞夕刊が「フィールドターフ」を紹介しました。

2003/08/08

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「ふさふさ人工芝増殖中」で始まるこの記事は、東京ドームの「フィールドターフ」を、あたらしい切り口で紹介しています。

・ 8月3日、スペインのプロサッカーチーム、ベッカムの「レアル・マドリード」が、2日後の試合に備えて練習しました。
・ 東京ドームが、FIFA(国際サッカー連盟)推奨施設に認定されました。

これにより東京ドームでの J リーグや海外プロサッカーチーム試合の開催が可能となりました。
天然芝に限りなく近い「フィールドターフ」は、プロ級の野球やサッカーはもちろん、あらゆるスポーツグラウンドから幼稚園庭まで、幅広いニーズにお答えします。

朝日新聞 2003.8.2 夕刊


 ふさふさ人工芝増殖中

 人工芝のグラウンドが広がっている。疲れず、滑ってもやけどをしにくい新素材が登場。天然に比べて維持費は20分の1と格安なことから、野球場のほかサッカーやラグビー場などにも進出し始めた。不況の中、右肩上がりの市場に、熱い視線が注がれている。

 東京都文京区の東京ドームに3日、ベッカム選手らを擁するスペインのプロサッカーチーム「レアル・マドリード」がやってくる。2日後の試合に備えた練習場に選ばれた。「ドームがサッカーにも使えるという格好のアピールになります」。庄司正信・広報グループ課長は声を弾ませる。
 昨春、ドームは約3億6千万円をかけて人工芝を一新、3月に国際サッカー連盟(FIFA)推奨施設の認定を受けた。
 プロ野球日本ハムが04年に札幌ドームに本拠地を移す。これで、日ハムの東京ドームでの試合数は3割以下に激減。その穴埋めに、集客力のあるサッカーは見逃せない。
 新しい芝は、カナダ製の「フィールドターフ」。従来の人工芝は、サッカーには不向きだった。足腰への負担が大きく、滑るとやけどをしやすい。しかし、ターフは違う。下地にゴムチップと砂が埋め込まれ、衝撃吸収力が高く「天然芝に限りなく近い」。

 奥アンツーカ(本社・大阪市)は3年前、この製品をサッカーJ2の川崎フロンターレの練習場(川崎市)に初めておさめた。予想以上に好評だった。「大化けする」。同社は専門の営業チームを立ち上げた。
 これまでに、横浜スタジアムをはじめ東京都内の私立幼稚園、高校の野球グラウンドなど18ヵ所に採用された。

 同社によると、初期投資は天然芝の約3倍。しかし、維持費が20分の1におさまるうえ、1年中使用可能なので、5年間使用した場合のコストは、3割程度ですむ。
 「もちろん天然芝はすばらしいが、維持管理を考えると、どこにでも作れるわけではない。そこに需要がある」(同社東京本部)。

 昨年8月に日本初のFIFA推奨施設のお墨付きを得たのは、三菱化学のグループ会社「アストロ」(東京都千代田区)が施工した静岡県御殿場市・時之栖スポーツセンターのサッカー場だ。
 同社は「レアル・マドリード」や英国のプロサッカーチーム「マンチェスター・ユナイテッド」の練習場にも使われている人工芝「アストロプレイ」を米国から輸入販売している。アストロプレイは、浦和レッズや成蹊大、大阪体育大などが採用、今春には大阪ドームも導入した。
 国内メーカーも参入している。住友ゴムグループ(本社:神戸市)は00年春、廃タイヤをゴムチップに再利用するなどした「ハイブリッドターフ」を開発した。サッカー場の全国トレーニングセンター、Jヴィレッジ(福島県)の練習場など約50ヵ所で採用。6月には「ラグビーの聖地」といわれる長野県・菅平高原のラグビーグラウンドにも導入された。
 同社によると、この新世代の人工芝は、国内で3年前から急速に広がっており、03年の市場規模は「50億円」にのぼるとみられている。業界の視線は、学校の運動場にも注がれている。

 営業担当は言う。
 「裸足で駆け出したくなるグラウンド。この時期、こんな右肩上がりの商品はない」